建物状況調査とホームインスペクション

2020年4月の民法改正で不動産取引時の建物の瑕疵といっていたものが契約不適合事項に変わりました。

戸建て住宅の一般的な売買契約約款では、「雨漏り、白蟻の害、木部の腐食および給排水管の故障」が引渡後一定期間内に発覚すると契約不適合事項にあたり、売主が補修する責任があります。 これは、引き渡した後に発覚した不具合は売主が責任をもって補修するので安心して取引しましょうという考え方が前提です。

移民国家米国では買主責任主義といわれ、売主が売却後に瑕疵担保責任を持つ法律上の規定はないそうです。州を超えると法律も変わる米国では、引越した売主を探し出してまで責任を取らせることが現実的ではないのでしょう。

建物調査(ホームインスペクション)の普及促進の議論では、「米国ではホームインスペクションが当たり前に普及しているのに、日本で普及率が低いのは日本が遅れているからだ」と言われることもありますが、日本の社会環境が変わり、遠隔地の取引が増えたり、引渡後の雨漏り等の補修の費用が高額化したりしていくなかで、売主・買主の双方のリスクを低減させるために、売買契約前の建物状況調査は米国と同じように売主・買主双方の身を守るために必要になってきています。

 

byテール

 

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